【俺なりのロック魂|キシミール体験ログ:DAY 09】

当店は『横浜駅』にて
創業40年の小さな個人経営店
ファッションヘルス《キシミール》です🧺
今回の擬似体験ログは、50代の男性が経験する、“自分なりのロック魂”のお話。
彼にとっての「ロック」とは、胸が高鳴って“いいな”と思えた気持ちに与える肯定の称号。
横浜という街で、彼は今日もいくつかの“五感”に出会うのである。
このシリーズでは、オリジナル魔除けキャラクター「あぱらぎ」が見届ける者として陰ながら見守っているよ🐶
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▫️0:ロックは、俺の肯定語
函館生まれ、東北育ち。
港町の風に吹かれて育った俺は、最近たまに出張で訪れる横浜に“ロック“を感じている。
桜木町。関内。
そして今日は横浜駅。
横浜ってのは、不思議な街だ。
どこか独特の音色がある。
本牧と横山剣。
横浜7thアベニューとLUNA SEA。
伊勢佐木町とゆず。
……あと崎陽軒。
俺の中ではどれもロックだ。
俺にとって「ロック」ってのは、反抗なんかじゃねぇ、肯定の言葉だ。
カッケぇーでも、素晴らCでもいい。
胸が高鳴れば、それでいいじゃねぇか。
そう——
「ロックだな」
何にでもこう言えたら、それはもう最高なんだよ。
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あぱらぎ🔭
「……面白い人だよね。
彼にとってロックは思想ではなく、敬意の付箋なんだね。
善いと思えた瞬間に貼る、自分だけのお気に入りリストみたいなモノだね。」
ビジネスコラム | 創業40年目|『横浜駅』の裏事情・情報ブログ|個人店【キシミール】
横浜駅の改札を出ると、まず人が多い。
その人の流れも、足音が層みたいに重なっている。
さまざまな店のショッピング袋。
高島屋の壁のビジョン。若者たちの笑い声。
この街は、黙っていてもどこかでグルーヴを奏でていやがる。
函館も港町だが、横浜はもう少し、モダンさが眩しい感じだ。
この色めき、嫌いじゃないぜ。
むしろ、体が震える。
ロックだな。
俺は歩きながら、そんなことを考えていた。
——ドンッ。
肩が誰かに当たる。
「あっ、すみませんね💦」
若い男と目が合う。
向こうが軽く会釈を返す。
俺も、会釈をする。
——ぶつかっても怒らない。シティボーイもロックだぜ。
怒鳴らないことで、睨まないことで。
街の音に、余計なノイズを足さない。
これもまた、横浜のリズムってやつなんだろうな。
そうして俺は再び歩き出す。
しばらくダイヤモンド地下街とやらを彷徨いながら。
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あぱらぎ🔭
「……出張の合間を愉しんでいるね。
彼にとっては土地やそこに住まう人たちに色んな“五感”があって、それを味わうのも嗜みなのだろう。」
目当てはレコード店だった。
せっかく横浜に来たら、一枚くらい何か掘り出したくなる。
それもまた、俺なりのロックだ。
アネックス横浜ビル。
雑居ビル特有の匂い。
古着屋。居酒屋。
スナック。ガールズバー。
階ごとに違う匂いが入り混ざっている。
ここは音も、色も、統一感がないのが魅力だな。
……いいビルだ。
雑味がある、それも立派なロックだ。
2階へと階段を上がり、左を向くと視界に入った看板。
《キシミール》
ん?
この並びの中で、妙な気配と、石鹸のような香り。
だが、ネオン感もなく、ピンク色もアダルトな主張も感じられねぇ。
なのに、俺のセンサーに引っかかる。
俺が場違いなのか?
それとも、この店が異世界なのか?
この違和感……ロック……なのか?
しかし、「ファッションヘルス」と書かれた文字に、正直いって胸の奥が高鳴っちまった。
俺は立ち止まる。
ほんの一瞬、自分の足がどこへ向かおうとしているのか、自覚はある。
だが、あえて深くは考えない。
曖昧なまま進む。
目的に縛られない。
直感を裏切らない。
それこそ、俺のロックだ。
入口の前で、小さく息を整える。
そして、入る。
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あぱらぎ🔭
「……潔い生き方だね。
意思が強いんだか、弱いんだか分からないけど、曖昧さごと抱えて進む姿勢を、自分の言葉で肯定している様子は軽妙だよ。」
《キシミール》という異世界は、ここが横浜だということを忘れさせるように穏やかだった。
受付の店員は、口元に、小さなピアス。
かといって乱暴じゃねぇ。
……ロックだな。
待合室には、壁際にミニアコースティックギター。
装飾なのか、本気なのか。分からない。
分からないけど、置いてある。
それだけで十分だ。
……ロックだ。
通された部屋は
——とても、ミニマム。
というか、小さい。必要最低限のスペース。
だか、狭いのも落ち着くんだよな。
ここも、ロックだ。
そして迎えてくれた女性。
やわらかい仕草に、まっすぐな視線。
うーん、なんだろう、とてももの優しい。
……ロック、いやロック×2を贈呈しよう。
あとの細かい説明は、いらねぇ。
時間は流れる。
都会の真ん中で、当初そんな気はなかったのだけど…、不思議と視界も香りも音も安心する。
はぁ〜(((
コトが終わった後、俺はまだ火照った体を鎮めるべく、タバコを咥える。
火をつけ、徐に吸い込む。
——ぶっ、ゴッホ、ゴッファっ!
「わぁ、大丈夫ですか?」
「ごめん、ごめん、久しぶりにこういう所きて緊張しちゃって、うぉえ〜💦」
……。
なんとロックな体験だ。
格好はつかなくたって構いやしない。
こんなにリラックスできる空間が、都会にあったとはな。
そうして俺は、店を出た。
「1日、お疲れさまでしたー」
気の利いた言葉に見送られ。
横浜の夜風が、少しだけ暖かく感じる。
街には街灯がきらめき始めていた。
歩く人たちも、なんだか輝いて見えやがる。
なのに、俺は少し違う世界から帰還したみたいだ。
そう、まるでライブハウスを出た後みたいに。
人混みの中に戻るのに、自分だけ別の空間から舞い戻った気分。
「ロックな店だった、《キシミール》」
俺は小さく頷いた。
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あぱらぎ🔭
「……彼はきっと横浜に“今時“より“哀愁“を覚えていたんじゃないかな。
『自分の基準』って新しさよりも、“懐かしい感覚”の中に宿るからね。」
【女性キャストへの取り組み| 創業40年目|『横浜駅』の裏事情・情報ブログ|個人店《キシミール》】
ビルを出て、少し歩く。
夜の横浜は、どこか味覚がある。
それは今、ホルモン焼肉店の横を通ったからではないだろう。
風がビルの隙間から吹く。
合わせて自動販売機の前で立ち止まる。
缶コーヒー。
ボタンを押す。
ガコン、と落ちる音。
……いい音。
ロックだな。
缶を片手に、シブく決めるつもりで開ける。
プシュッ。
一口。
——こぼす。
「熱っ!」
指先に、じわり。
おもわず缶を持ち替えながら、微かに笑う。
これもまた、ロックだ。
うまくいく日もあれば、いかない日もある。
それでも、胸の奥で高鳴った感覚を肯定できるなら、今日は上出来だ。
横浜の眩さを背に、俺はゆっくり歩き出す。
「あっ、レコード屋……」
——Fin.
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あぱらぎ🔭
「……今日もお疲れさまでした。
彼は一日を“完璧”に過ごしたわけじゃなかった。
ただ、どこに行こうと何をしようと、自分の感性に嘘をつかなかった。
それが彼なりの“ロックと横浜駅“とのセッションだったんだね。」

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